好きな工具ブランドはKTC、どうも部長です。
機械メンテや修理に役立つ考え方をまとめていきたいと日頃から思っており、少しずつ進めてみようかと思います。
今回は具体的な内容の前に、まずその背景です。
つまりなぜ自分で機械修理しないといけないのか、いけなくなってしまったのかについてです。
工場設備は特殊
家庭で使うもの、仕事で使うもの、機械に故障はつきものです。
家庭で使うものは汎用品が多く、修理するよりも買い換えた方が早くて安くて性能が上がった、なんてことも多いでしょう。
同じものがなくても代替品はいたるところに溢れています。
アマゾンにも近くのホームセンターにも海外製品が驚くほど安い価格で売られています。
しかし、生産設備など企業で使うものは、故障したからといって簡単に、買い換えようとはなりません。
家庭で使うものとは状況が全く異なります。
コスト、納期、クオリティが揃わない
ここで仮に、企業の設備が故障し、設備一式、または不具合のある部品を発注する場合を考えます。
当然、コスト、納期、クオリティ、全てを満たさないといけません。
そもそも価格が高いものはそう簡単には買えないでしょう。
経営を圧迫します。
買うとしても在庫がないなど納期の遅いものは買えないでしょう。
ラインが止まり納期に間に合いません。
特注品や専用にチューニングしてあるものは作ること自体が難しいかもしれません。
日本国内では、職人の高齢化や、企業の廃業などが多く、レベルは後退してきていると言わざるを得ません。
部品ひとつ取っても、昔のものの方が作りがいいことは多々あります。
コスト、納期、クオリティ、現実はこのどこかで引っかかります。
人材が不足している
そんな時、企業はどう対応するのか。
外に頼れないとすれば自社で対応するしかないでしょう。
大企業なら専門職があったり、過去の事例の蓄積があったり、何かと頼れる先輩がいたりするものです。
では零細の場合ならどうでしょう。
不器用な社長が工場長や技術部長を兼務していることも多く、他はパートのおばちゃん、なんてことはザラです。
そもそも人がいないのです。
ナレッジが蓄積されない
記録する、という文化がないことが多いです。
頭の中に全て入っているから大丈夫、といった状況でしょうか。
この場合、頭の中にしまってある時点で100%大丈夫ではないのです。
また、運よく記録されていてもデータのほとんどは紙に書かれており、ITが使われていないことに度々驚かされます。
秘伝の書、のような走り書きをまとめたノートが埃をかぶって鎮座しています。
検索はできないのはもちろんのこと、書いてある内容が理解できません。
というかそもそも文字が読めなかったりするレベルのものもあります。
そして運よく知りたい箇所を発見でき、書いた本人に聞いても、わからない、覚えていない、なんてことも多いのが現実です。
なので自力で一から対応しないといけない状況になることが多いのです。
ちなみに、工具も揃っていない
工具も揃っていないことがほとんどでしょう。
そのくせ、どこで使うかわからないような特殊工具があったりします。
こんな、ないないづくしの状況が零細では当たり前の状況なのです。