部長はアイスが好きだ。
健康オタクなのにもかかわらず、アイスが好きなのだ。
なぜ、といわれても分からないが好きなのだ。
味が好き?いやそれほどでもない。
冷たさが好き?そんなことはないはず。
ではなぜどうしてそんなに好きなのか。
一般に快楽を感じる際によく語られるのはドーパミンという物質だ。
これは実は快楽物質ではなく、快楽期待物質だ。
ドーパミンが分泌されると、妙にやる気になる、アイスを食べる気になる。
そして食べる。でも食べている最中はあの食べる前のワクワク感があまりないのに気づいてしまった。
そして食べ終えると、また食べたくなる。
そう、ドーパミンは放出され続け、ドーパミンによって満足する、ということはないのである。
これはスタンフォード大学から「ドーパミンには報酬を期待させる作用があるが、報酬を得たという実感はもたらさない」という論文が発表されていることからもわかる。
ちなみにドーパミンは脳の中心の方で働く、つまり本能に近い部分で働くことがわかっている。
だから、食べたいけど、食べても実は満足しないし、その瞬間、ものすごいIQが下がって、単なる動物に成り下がって、ワープアでメタボのダブルパンチになって、孤独死するぞと自分を戒めることにする。明日は食べない。今日は食べた。