旅行で度々訪れているタイ王国。
行ったことのある人なら当然わかると思うが、タイ国民の国民性は日本人からするとまあ適当で、理性が足りないのでは?というぶっ飛んでいる印象を部長は受けている。
もうずいぶん慣れたのだが、彼らと接する際に肝に銘じていることは、何があっても驚くな、受け流せ。ということである。
いちいちリアクションを起こしたのでは、体力気力とももたず、旅行を楽しむこともできない。微笑みの国と言われているが、実際はカオスな国であり、もう笑うしかないので微笑んでいるように見えるのではないかと思う。
そんな吹っ飛び気味の国民から尊敬を集めていたプミポン前国王の凄さを最近、再認識した。本葬が行われるため、国民の多くは黒の服を着、田舎からバンコクに追悼のため上京、以前はバックパッカーの聖地と呼ばれたカオサン周辺の安宿は軒並みタイ国民で一杯になっているという。あのカオサンに田舎からのタイ人があふれているというのは、もとバックパッカーとして想像できない。そしてコンビニも閉店、有志によるバイクタクシー無料、多くの自主的なボランティア、などこれでもかとばかりに盛大だ。極めつけに知人の不良タイ人のラインの写真までモノクロになっているのには驚いた。
不敬罪がある国なので、それも敬われている理由かと以前は考えていたのだが、実際その功績が凄い。在位期間は70年を超え、その間、国内政治の調停、地方経済の発展には直接的に貢献するなど経済的にも大きな功績を残している。なお、生まれはアメリカ、大学はスイス、一時期入仏し俗世を離れるなどとにかくすごい人であった。
19歳で即位し、その後も国を治めてこれたのは、その謙虚で清廉潔白な人柄も理由に挙げる人も多い。国王であっても、人として基本的なことを大切にしてきた点が評価されてきたのだと思う。シンプルなことではあるが、生涯にわたってだとなかなかできることではない。(実際、後継として即位した息子であるワチラーロンコーン国王の評判は比べるべくもなく低い。)
この機会に、人としてどれくらい成長できたか、清廉潔白で謙虚に生きているか、と自分に問い直してみた今日この頃。タイに行っても心穏やかで過ごせますように。